DYNASTY ARCHERY
DYNASTY TECH· 2026.04.28

ENIGMA ― “勝手にまとまる”安定性の正体

執筆: DYNASTY 技術部

ENIGMA ― “勝手にまとまる”安定性の正体

なぜ ENIGMA は「狙いが勝手にまとまる」と言われるのか。魔法ではなく、慣性モーメントとダンピングの設計です。

ENIGMA を使ったアーチャーから多く届くのが、「狙いが勝手にまとまる」という声です。これは魔法ではなく、慣性モーメントとダンピングの設計によるものです。

弓は発射の瞬間、押し手のわずかな入力やリリースのクセで、ねじれと傾きが生じます。この動きをいかに小さく、そして毎回同じように収束させるか。質量をどこに、どれだけ配置するかで、揺れの大きさと周期は大きく変わります。ENIGMA はその配分を最適化し、揺れの周期をアーチャーが保持しやすい領域へ意図的に寄せています。

ポイントは「揺れをゼロにしない」ことです。完全に止めようとすると、ほんの小さな入力にも過敏に反応し、かえって扱いづらくなります。神経質な弓は、緊張する試合ほど牙をむきます。ENIGMA は“ゆっくり、素直に戻る”挙動をねらって調律されており、これが「安心して押し込める」感覚につながります。

ダンパーやウェイトの組み合わせを変えれば、その性格はさらに自分仕様に追い込めます。数字に表れにくい「扱いやすさ」を構造で作り込む——それが DYNASTY TECH の考える安定性です。